黄昏時のラクガキ
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ブランコ式訓練器具


「そもそもこのブランコという乗り物はね、大航海時代の15世紀末、ポルトガル国軍海将のパスト・デ・ヤンスという人が考案したものなんだ。その彼は常に白いマントを羽織っていたために、通称・ブランコ将軍と呼ばれていた。それでこの乗り物にはブランコ式という名称が当てられたんだ。元々は新入り海兵達の船酔いを克服するための陸上訓練器具として用いられたんだよ」
という出鱈目な法螺話を思い付いて、口角を上げて笑みを作ろうとした時だった。
不意に彼女は俯いていた顔を上げ、仰角17°のどこか一点を見つめながら口を開いた。
「わたしがなれなかった自分がいて、それによって、わたしのいなかった世界ってあると思うの。でも、ここではないどこか、っていうのはどこにもないんだわ」
機先を制される形になった僕は、いったん作りかけた笑顔の表情筋に力を込めるのも忘れて、いわゆる、ぽかーん、という表情をしていたのだと思う。
彼女は一度、つよく地面を蹴り上げて、ブランコを後ろへと振ってから、制服のプリーツをはためかせて飛び降りた。
「バイバイ。ここでいいわ」
僕は駆け去っていくローファーの高い靴音を聞きながら、
徐々に揺れ幅を小さくしていくブランコを眺めていた。
そして、なぜ公園のブランコがどれも一対で一組であるのかが、
少しだけ分かった。





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2010-10-21 Thu 21:41
別窓 | ラクガキ | コメント:0
ありおりはべりいまそかり


今宵覚えて欲しいのは
ありおりはべりいまそかり
今宵忘れて欲しいのは
ラビオリフジリパガニーニ

ナイトクルーズなどいかがかな?
水兵リーベ僕の船
今宵はただでは帰さない
アーリオオーリオペペロンチーニ

こんなふざけたピロートーク
繰り広げるのは大風呂敷かな
僕はホラ吹きスナフキン
明日は明日の風が吹く


('06.11.12)


2010-04-24 Sat 19:38
別窓 | ラクガキ | コメント:3
さよなら三角


さよなら三角また来て四角
ありとあらゆるきりぎりす
大根おろしのエレジィは
しゃれとエスプリのわさび風味で
紫煙くゆらすナイスミドル
スマイル片手にプロパガンダ
ほれたはれたのワンワンパニック
泣く子も黙る諸行無常か



('06.11.12)


2010-04-22 Thu 21:30
別窓 | ラクガキ | コメント:0
言葉と裏人の物語


胸のうちを語らないまま
言葉は彼に背を向けた
彼が望んでいたのは裏側ではなく
うちにあるものだったのに

彼自身は内側を見せることなく
裏側ばかり覗いていたからだ

賭にならないコイントス
数字はいつも裏にあるから
ボールもコートも
コインはすでに決めているのに

腹のそこを固めないまま
言葉は彼から離れていった
彼が望んでいたのは邂逅ではなく
つながることだったのに

彼自身は道糸を伸ばすことなく
型取りばかりを切り取っていたからだ

形にならないカクテルドレス
縫い目はいつも裏にあるから
ビアーもワインも
ドレスをすでに染めているのに

彼に表を見せるのは
とうとう月だけになってしまった
それが裏なのか表なのか
とうとう彼には分からなかったが



('06.10.28)


2010-04-19 Mon 23:13
別窓 | ラクガキ | コメント:0
言葉と男の物語


言葉が男の指をすり抜けていった

彼が嘘ばかりついているから
コトバはそっぽを向いてしまった
「もう呼ばれたくない」と
繋いだシナプスの手を離してしまった

愛想笑いを浮かべて
コトバは彼に手を振ってる
「おまえはいいやつだったけど
 ちょっと付き合いきれないな」と

「確かに俺は嘘つきだけれど」
男はコトバに問いかける
「お前の好きに任せたら
 お前は人を傷つけるだろう」

「いやいやそれは違うなぁ」
コトバは哀しい顔で言う
「傷がつくのはおまえ自身さ」

男はとうとう黙ってしまった
黙って彼らを見送った

それからは
わずかに残ってくれた言葉と共に
今でも男は言葉を紡ぐ



('06.10.28)


2010-04-19 Mon 23:11
別窓 | ラクガキ | コメント:0
翡翠の勾玉


見せてやるよ
これがなんだか分かるかい?

小キズでくすんじまっちゃあいるが
翡翠のちいさな勾玉だ

いつもはな
のどちんこにぶら下げて隠してあるんだ
そうするとな
つまらない言葉はこいつが飲み込んでくれるんだ

・・・おっと
こいつは内緒だぜ?
俺のたったひとつのたからものだ

たからものはひとに見せちゃあいけないからな

羽が二対もついているんだ
って言ったことも
内緒だぜ?



('06.10.18)


2010-04-18 Sun 00:23
別窓 | ラクガキ | コメント:0
やり投げ


やり投げの選手は投げやりではない

全身すべての力をやりにのせて
精一杯やりを投げる

やり投げの選手は投げやりではない

弧を描くやりの行く末見つめ
届くか否かに一喜一憂

力いっぱい
重いやりを投げる
届くまで
重いやりを投げる

やり投げの選手は やりを投げる



('06.07.14)


2010-04-15 Thu 21:28
別窓 | ラクガキ | コメント:0
真実


みんなきっと騙されているんだ

カレーに福神漬は決して合わない

これが俺の知っている真実だ



('06.05.17)


2010-04-13 Tue 22:14
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嘘が嘘ならば嘘である嘘


僕は嘘をついたはずなんだが
僕の嘘は誰にも見破られなかったので
僕は嘘をついていないというのが通説であり
僕自身には僕が嘘をついた認識と記憶があるのだが
嘘をついたことこそがもとより嘘の事実だったと仮定してみるに
僕が嘘をついたという嘘を僕は信じ込まされたのかもしれず
そうなると僕の存在そのものが嘘だということになる





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2010-04-01 Thu 23:56
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