黄昏時のラクガキ
野良猫のラプソディ


空の太陽は時折、
溶鉱炉の口から出てくる鉄のように熔けて零れるから
おまえはひどく憧れながら怯えてる

夜の月はしばしば、
マグロように凍り付いて氷柱のような霜を降らすから
おまえはひどく魅せられながら震えてる

それが現実で
それが哀しみなのだと
おまえが知るには
まだ早すぎる

おれがおまえに教えなきゃならないのは
冬の日溜まりがいかに暖かく
夏の月明かりが足元を照らす
そういう小さな事

風がいかに優しく吹き
人の温もりが
ただ温かいだけではない
ということ

それを教えなきゃならない
憧れを消してはならない

おまえの憧れを
おまえの魅力を
おれは命を賭けて
守ろう



2008-01-24 Thu 10:19
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僥倖のミューズ探求


気まぐれで傍若無人
奔放で東奔西走

彼女を見つけるのは
空にチェシャ猫を見つけるより難しい

見つけられたものは喝采だ!
まごうことなき霹靂だ!

うつくしき歌のサイレン
いくつの船舵を魅了したろう

砂礫に埋もれたミズクラゲ
珊瑚から去ったカクレクマノミ

みな
たがいに迷いつつ
みな
たがいを愛しつつ

赦しを求めて
彷徨うか

ともかく今宵は酒宴を催そう
明日など明星の彼方にあろう

宴を照らす
月の陽光(アポルオン)

もし、
赤紫色の猫
彼女はどこだい?



2008-01-06 Sun 19:52
別窓 | ことあとい | コメント:0
白の舞い散る舞台


あの日の言葉を
僕は今日こそ言えば良かった
そして君が
恥ずかしそうに優しい微笑みをたたえて
その意味を飲み込んでしまう寸前に
僕は言うのさ

「馬鹿だなぁ、今日はなんの日?」


ゆうべの答えは
僕は今日こそ訊けば良かった
そして君が
痛々しくて哀しい微笑みを浮かべて
その罪を浴びようとするより早く
僕は言うのさ

「馬鹿だなぁ、今日はなんの日?」


桜が咲いて
そして散るまでの間の物語だよ

今日、笑ってしまえば良かったね

もうすぐ
僕らのために
桜が散るよ
どこまでも白く
桜が散るよ

今日ならば
君も僕も嘘がつけたのに

今日、笑ってしまえば良かったね

もうすぐ
天使の白い羽根が無数に舞い降りて
君と僕を赦すよ
嘘をつくことができずにいた僕らを
まるごと嘘に代えてしまったその罪を

さぁ
白の舞い散る舞台の
幕が降りようとしているよ

そこで会えたら
どこまでも白く
笑って




2007-04-01 Sun 18:58
別窓 | ことあとい | コメント:0
時の行列
もし
もしも
あの時
時の行列に
横入りできたら
あるいは素直に
ならんでいたなら


たった1日
もう1日だけ会えたとしたら
綺麗なさよなら演じられた

たった1時間
もう1時間だけ分かち合えたら
美味しいパスタを茹でてあげた

たった1分
あと1分だけ残っていたら
君を苦しめることはなかった

たった1秒
あと1秒だけ見つめ合えたら
僕の微笑みを君に残してあげられたのに


だのに
僕は行列が
どうしても苦手だったんだ
2006-11-14 Tue 22:38
別窓 | ことあとい | コメント:2
くちづけのかほり
いまもチョコレートの匂いがするんだ
なぜだろう?
僕はチョコが嫌いなのに

いまもトリートメントの匂いがするんだ
なぜだろう?
僕はそれを使ってないのに

くちづけのかほり
鼻腔がそれを記憶している
曖昧な確かさで

まだ思い出せるだけ
良しとしようか

もしも世の中
儚いばかりだったら
とっても寂しいじゃないか
2006-11-12 Sun 00:12
別窓 | ことあとい | コメント:0
空に歌う
きみに歌いたいうたが
まだまだたくさんあったよ
きみを歌いたいうたを
とってもたくさん書いたよ

だけどもう
僕の歌をきみに聴かせることはない
だからもう
僕の歌がきみの心をふるわせることもない

ふたりはもう
触れても傷つき合ってしまうだけ


“ヤマアラシのジレンマ”の話は
きみにしたことがあっただろうか
ふたりは距離を間違えて
遠く離れてしまったね


僕は歌ってる
ひとりっきりの空の下
きみに響くことはないけれど
この空にだけ響けばいい

僕は馬鹿だから
歌うことしかできないのだろう
他にはもう何ひとつ
きみにしてやれないのだろう

歌声を
祈りに代えて
空に歌う

きっときみを守ってくれるようにと

ずっと
ずっと
僕のたったひとつの願い
2006-11-04 Sat 22:34
別窓 | ことあとい | コメント:6
薔薇
すべては僕のせい
それは構わない

薔薇は枯れてしまった
花弁を散らすこともなく
小さく萎れるように

でもね
薔薇を縛っていた束は
僕が作ったものじゃない
それは君の束ねたものさ

僕が見たかったのは
棘のついたまま咲く
気高き花

強い振りして
弱く美しく咲く
ベルベットの赤


枯れてしまったなら
それは僕のせいだ
僕はよい庭師ではなかった

でも来年はまた
咲いてくれると僕は
願う者
2006-10-31 Tue 01:04
別窓 | ことあとい | コメント:0
消えた猫
そんなに悲しむなら
首輪をはめてくれてもよかったのにと
きみは思っただろうか

そんなに心配なら
家に閉じ込めてくれてもよかったのにと
きみは鳴いただろうか

再び会うことがあったらば


もし僕のことを疑ったとしても
僕は間違いなく間違ってない
きみの自由と
きみの幸せを
きみの自由にして欲しかった

もっと
もっとさわれば良かったと
もっとなでれば良かったと
もっとだいてれば良かったと
すこし悔いただけ

きみの寝床が残ってても
きみのご飯を用意しても
僕は間違ってない


きみよ
自由の名の下に
2006-10-27 Fri 02:46
別窓 | ことあとい | コメント:7
愛の夢
俺が騙すことができたのは
俺自身だけだったんだな

君が騙すことができたのも
君自身だけだったけど

俺は
最後くらいは君を騙せたかな?


人の夢は儚いや...
2006-10-21 Sat 00:30
別窓 | ことあとい | コメント:0
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