黄昏時のラクガキ
笑った月


雨上がりの西で

三日目の月がニヤついてる

端正なくちびるで

「またひとつ年を重ねたな」


2007-01-22 Mon 20:00
別窓 | ラクガキ | コメント:2
小フーガ ト短調 『そら』



    落日届く
    終焉
    絆
    紫煙
    切れた弦

     セロは自ら響きはしない

    綿毛飛ぶ
    指先
    歌
    妖精
    瞬きさえ

     幻想という名の真実

    飛行機雲
    電線
    空
    写真
    線を引く

     僕らのそらに明確な線はないゆえ

    五線譜
    連続性
    対位法

     音階
     旋律
     剥離


    君と僕のそら


    最後の台詞


    ピアノの音色




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2007-01-18 Thu 00:37
別窓 | | コメント:6
冬空の風鈴
100億光年の少し手前に
蒼く沈んだ惑星がある
100億光年のずっと向こうに
紫に濡れた恒星がある

  かもしれない
ないかもしれない

宇宙は発現したのだから
それについては発言しない


海の深さに物足りないと
トビウオになった魚
空の広さに飽き飽きして
ペンギンになった鳥

蒼紫に染まって泳ぐ
それぞれはそれぞれに


雄弁に語るのはいつも風で
風はずいぶん寂しがり屋だ
月はしろがねいろのお顔で
いつも何にも語りはしない


ぼくは誰だろう?
なんて少女のように思い耽っていたら
晩御飯を食べるのを忘れてしまった


静かな
冬の夜空のもと

ふっと

かすかに風鈴の音が聞こえたんだ
2007-01-14 Sun 11:26
別窓 | ラクガキ | コメント:2
鏡と光と瞳の奥
鏡の国へいらっしゃいませ
瞳の奥は見てはなりません
のぞけば狂ってしまいます

わたしは見えはしませんの

召し物はお召し召さるるな
空気を召さねばなりません
踊りを踊ってくださいませ
目を回さなきゃなりません
あなたはとけていくのです

わたしは消えはしませんの

光をとかしてくださいませ
鏡に光はとけていけません
あなたは泣いているのです

2007-01-14 Sun 11:24
別窓 | オト | コメント:0
冬、掴むべき輪郭と
秋は温度を放任するから
摂氏は坂を下ってく

 我、下るべくして下り
 それは喜ばしい事だ

と氏は言う

心地良いじゃないか
その言い様



ほぅら
赤いマフラーに
首をうずめるように歩こう
ほっぺは赤と白に色分けされて
隠してないと恥ずかしいだろ?

少し口数を減らす代わりに
言葉は薄着になってゆくから
ひとり言のようにつぶやいて
輪郭の軌跡を残せるように

手をつなぐには
今が一番いい季節だろ?

ほぅら
手をつなごう


幻のようだった夏の手を

その幻を
2007-01-09 Tue 23:04
別窓 | | コメント:2
模造煮
もう五日間
ずっとずっと
お雑煮ばかり食べている
見よう見まねで作ったから
これはお雑煮というより模造煮だな
何でもかんでもぶっ込んで
でっかい鍋にいっぱいだった
味はちゃんと調えたよ?
おれにとっちゃあ一番美味い模造煮だ

まだまだいっぱいあるんだぜ
どうだいいっぱい召し上がっていかないか?

ただし
ひとつ言っておく
味の保証はしないぞ

だが
安心しろ
腹をこわす心配はない
2007-01-06 Sat 18:38
別窓 | | コメント:2
渦を巻いてみせろよ
しじまというよりしじみの合間に
退屈が席巻する
それはまるで石鹸のように泡立って
老廃物に似た哀しみを
界面活性化させる
テレビなんぞを流してみても
太平洋の海面に渦潮が巻くわけじゃない

渦を巻いてみせろよ

もう活字が読めないからさ
字が活きているようだから
まるで襲ってきそうじゃないか
今朝の新聞だけはなんとか読める
もう朝じゃないから

銀杏はすべて裸になってしまったが
どうってことはない
それはこの退屈な冬を越えたいだけなのさ

つむじ風に
渦を巻いてみせろよ

  光陰
2007-01-04 Thu 18:12
別窓 | | コメント:4
かわいいきみに
こっちはね。畏まって「あけましておめでとうございます」なんて頭を下げて、両手でそっとお年玉袋を渡したのにさ。「ふーん、ありがとう」てな感じでさ。興味もなさげにテーブルに置き捨てられてしまう始末。しようがないからきみの持っていたドングリ(これはマテバシイのドングリだね。さすがにクヌギは入らないよ)をおれの鼻の穴に突っ込んで「フンッ」っと飛ばしてみたりしたら、腹をかかえて大喜びか。まったくもってしようがないからその辺にあったボールペンやら、ミニサラミやら、よく分からないオモチャやら、ケータイのアンテナやら、何でもかんでも鼻の穴に突っ込んでやったよ。「マテバシイのドングリは食べられるんだよ」とはさすがに言えなかったな。鼻の穴から飛ばした後では。

きみのいる世界では
お年玉より
鼻の穴にドングリが入っているか否かのほうが
なにより大事なことなんだね

鼻の穴にモノを突っ込むネタも尽きたので、ふと思い立って“たかいたかい”なんぞしてみたら、何度も何度もせがみやがって。こちとら明日、筋肉痛になってしまいそうだぞ。後で身体測定の記録なんて持って来て、見てみたらなに「115cm・21kg」だと。道理で腕がぴりぴりくるわけだ。

いつの間にやら大きくなったね
これからどんどん大きくなるね
きみがよろこぶうちは“たかいたかい”ができるように
おれも身体を鍛えておくよ

今年の春から小学校に上がるきみ。水色のランドセルなんて見せびらかして「い〜でしょう?わたし水色がすきなんだ。まえはピンクのほうがすきだったけど。ピンクは今はすきじゃないの」ときたもんだ。なんだい今頃はずいぶんランドセルもおしゃれじゃないか。おれの頃は赤と黒しかなかったんだぞ。

きみはこれから水色のランドセルを
教科書いっぱい入れたら結構重いランドセルを
まるで羽が生えてるように無重力で
飛び跳ねるように歩いてくんだよ

「たくやくんがすきなんだ」って恥ずかしそうにはにかむきみ。「将来はおれのお嫁さんになってくれるんだろ?」って言ったら、やっぱり恥ずかしそうにソファの陰に隠れてしまった。
きみもいつか
大地がグラグラ揺れるような
景色がグルグルまわるような
恋をする日が来るんだよ

挙げ句の果てには“にらめっこ”をして、さんざんヘンな顔をさせられた。普段使わない筋肉を総動員したさ。もし明日、顔の筋肉まで筋肉痛になったらどうするんだよ。とうとう手まで動員して、鼻の穴やらまぶたやら口の端やらヒリヒリするわい。きみは「負けたー」なんて言って、やっぱり腹をかかえてる。

こちとらきみを笑わせるのなんか朝メシ前なんだよ
だがきみがおれに笑われるには
まだよっぽど10年は早いんだぞ
なんて思いつつさ
おれはむくむく笑顔になっていただろう

3月にはお姉ちゃんになるきみに
いっぱいのたくさんのやわらかい
幸いあれ


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2007-01-02 Tue 22:49
別窓 | | コメント:0
| Twilight Graffiti |



 


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