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すすまない 空の向こうに つながない 星の瞬きがおりました わたしは、 柔らかい草に寝ころんで それを眺めつつ 星色の鈴の首輪を着けないで どこかへ去った猫については 悔やむことはないのだ、と すれ違う旅人ひとりひとりに 告げました そして 猫の居場所が分からなくても 何も困ることはないのだ、と わたしは、 わたしに諭すのでした 寂しくて つと、 猫が零した涙の糸が 星をつないで 空をすすめてく 星座になれば それを道標に 旅人達が 歩いていく街道を わたしは眺めながら 遠くの猫をおもうのです 真白いテントの奥で 銀のアルカナは めくられました わたしが起きあがれば きっと首輪をしていない 猫が傍に寄り添うのです そしてわたしが 星座をつないで往くのです |
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ラムネのビー玉の向こうで 逆さまに見ていたクスの木が 唇の端を持ち上げるのが分かる だが天から生えてるわけじゃない 骨になってから気付くことがあるか? 俺が物心ついたのは母親が骨になった時だった だから何も遅過ぎることはないし、 炎の光より早過ぎることもないだろう フォッサマグナの奥深くから 取り戻したい過去なんてなかった ただひとつ必要としていたのは、 純然たるミレニアムの孤独 守るものがあるという怖さ 守りたいと願うことの強さ |
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風が悪戯をしてプリーツをなびかせる 惑わされてばかりのコンパスのような 北の方位を奪われちまったかなしみが 手のひらの砂粒にそぞろと泣いている 夜空にスキャットする雌キャット その歌声に淫靡な霧は更けていく あれは嘘だ、と言えば嘘になるし 真実だ、と言えば嘘は影を落とす ああ、波打ち際で石を拾うんだ この湾は朔よりも暗すぎるから ぴかぴか光りを身に溜め込んだ あおいあおい風石を見つけてよ 履物を濡らせば足が、冷たくて 風が乾けばまたも心が、冷たい |
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ぼくの白はきみを殺す きみの深く奥底にある 青いふりした鉛の海を 絹のペチコートが包む 赤い肉体からの言葉を 「あい」という声にきみは何の花を添えるのだ? ローズかフリージアかカーネーションかペチュニアか |
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強く黄色い線の内側を歩く もう履き潰す寸前の牛革靴で つまづくことのないかかと 電信柱に張り付いたままの 「探しています」が煤けて霞む 夜明け、月の雫を含んで深く眠り過ぎていた 乾いた白目がこわばっている |
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ラムレーズンではなく、チョコミントなんです と生コン屋のカウンターで注文すると、 ひどく鉛色したイタリアンジェラートが 石臼で磨り潰したバニラの殻が鮮烈で。 砂利が多すぎるんです 奥歯で噛み砕く感触が 胸の喘息に響くんです |
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ちりを固めれば埃ではなくなるように 誇りを固めれば自信ではなくなる 矜持を持つ今日は何時何分に 明日へと替わるか知ってるか 思い違いと思い上がりと 身に余る重い背嚢とを笑われながら それでも月を呑み込んでいる |
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ソフトクリームの白色が 斜陽の反射光と混ざり合って さくら貝を拾う砂浜の水面を どろり、溶かした 砂浜を歩く、人も、犬も 海上を飛ぶ、鳶も、鴎も 溶けてみな、染まずに漂う |
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たとえば野菜がこの世から無くなったとして ベジタリアンはエイリアンになるのか というような問題はこの際おいといて ひとりのキリシタンが隠れキリシタンであることは むっつり助平と似たような存在なのか 雨降る今宵もロザリオを握りしめて あなたの安寧を祈り続ける私です |
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地下鉄の階段を 駆け上がる野良猫 街路樹の影は何も守らない 行き交う人波に 溺れないように クロールの手でかき分けて行くのさ 車線の連なる 急流が運ぶのは 排気ガスに煤けた夢達だから 信号機の赤で 止まっているのは 燃えカスのような愛の欠片だろう 街の夢、生み出すメロディ 人の愛、奏でるラプソディ 今にもそれは回る時計の先のリアリティ つかむロザリオのday by day 青を反射する ビルが切り取った 地図のような空見上げていると 雑踏の音も消え 電線と交差して 飛行機雲が白を引いていく ふいにすれ違う 街角のBGMに 羽根のような夢を聴き取れば 夜につまずいて ひざ立ちのままで 風音のような希望の叫びを上げて 涙で埋め続けたセメタリィ めぐり繰り返すヒストリィ 今でもそれは壊れかけたままのストーリィ ここが辿り着く僕らのwhole new world |
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