黄昏時のラクガキ
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サラマンダー


もはや不味くなるばかりの煙を吐きながらその渦に、下手な嘘をマジな顔で吹き込んでみるたびに君と少しずつ時計の針の振り幅がずれてゆく。
僕はそんな秒針を飽きることなく眺めている。
「あれはいつの日のことか」などとつぶやく程に遠くはなく日付を数えられるほど近くはないのが、無垢なる幸福というものだろう。
赤く尖った秒針が細かく刻んでゆくものは、過ちか、あるいは哀しみが色褪せていくことの哀しみなのかもしれない。
赤いバラを植えた地表の裏側にマグマのように溜め込まれた粘度の高い怒りが、心を焼き尽くしてしまいそうになるから僕は無気力を装うふりをしなければならなくなるたびに、無力にほんの少しずつ近づく。
だから明け方はいつも、柳刃包丁をレンガ色の砥石で砥ぐ。
裏切りにおびえそうになればなるほどに、包丁は切れ味を増していく。
いつか豆腐のようにこのあばら骨の隙間をぬって内臓を切り刻んでは麻婆豆腐を作るのだ。先ほど試しに水を切ってみたら良く切れた。
研ぎ澄まされた刃を愛するほどに、青光りする鋼に映る裏切りの色は濃くなりまだらでフラクタルな模様を浮かび上がらせる。


鮮血がうつくしい


こぶしで殴りつけた血の美しい流れは、シャツに染み付いてしまえばあとは熟れすぎたバナナのような色で、幾度洗えども決して落ちることはないがそのクレイジー柄のシャツをあえて繰り返し身に着ける。そんな色はどうせ夜が隠してくれるもの。
今、喉を潤しているシングルモルトが心地良い熱で食道を通り抜けてその下流、つまるところ胃の中で暴れている。清流と同じで下流に行くほどにわずかな不純物で濁っていくのだろう。だから何ひとつもツマミは必要ない。

オールドファッションドグラスから氷が割れる音が部屋中のガラスをパキッと響かせた。
それは夏のキャンプファイヤーの炎の中で燃えたぎった丸太が爆ぜる音に似ていた。
そう。炎の、赤くて黄色い舌を見ると妙に心が安らぐことを思い出す。


僕の舌は何色だろうか






2009-07-23 Thu 21:53
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